アジアパー伝 (講談社文庫)



アジアパー伝 (講談社文庫)
アジアパー伝 (講談社文庫)

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ご冥福をお祈りいたします

第三世界を舞台にした物書きは掃いて捨てる程いるが、ただの観光旅行好き、ただの第三世界フェチを除いたらいくらも残るまい。鴨志田穣はそのいくらも残らない内の一人だった。彼の作品がもう二度と世に出ることがないと思うと残念でならない。このレビューをみてくれた方でまだ鴨志田穣の本を手にとった事が無い方、ぜひ読んであげて下さい、そしてこんな男がいたということを知ってあげて欲しい。享年42歳。本当に残念です。
追悼

鴨志田穣享年42歳。
死因は腎臓がん。
アルコール中毒、吐血と入院。彼の健康状態が悪いことは著作に何度も書かれていたが、それでもその早すぎる死には驚かされた。

彼が世に知られるきっかけは有名なマンガ家、西原理恵子さんと出会い、結婚したことだった。
そのため彼の著作は西原さんのファンが買うことも多く、彼の人気は彼本来の実力ではないという批評もあった。

しかし彼の著作を改めて読み直してみて、私は思った。
世の中には面白くて興味深い体験をしながら、それを発表する機会を与えられない人が大勢いる。
だが鴨志田氏は「西原理恵子」を通して自身の貴重な体験を語る場を得た。
そして更に彼は「西原理恵子」という体験をすることで、より面白くなったのだ。
私は西原さんを通して鴨志田氏の文章を読むことができたという幸運を嬉しく思うと同時に、それがもう読めなくなったという不幸を悲しく思う。

このアジアパー伝は彼の代表作である。
あなたもこの一連のシリーズを読むことで、氏の文章が読める幸運とそれを失った不運を理解できるはずである。
是非とも読んでいただきたいと私は希望するものである。
ややっ

不覚にも感動しました。滂沱の涙に明け暮れ・・・って程ではありませんけど。

鴨ちゃんの文章って、別に上手くないけど(もっとも言われるほど下手とも思わない。西原ファミリーではゲッツ氏のほうが下手な気もたまにするし)今回は本当に染みた。

最初の単行本なので、比較的ネタが粒よりなのもあるけど
やっぱ白眉は「おともだち」の話でしょう。
これほど、地べたをはいずる人間の辛さを表現した話も
そうはない。特に4.5行久々に抜書きしたい箇所があった。

鴨ちゃん、気取らずにこういうの書いてよ。
本当に血で傷を表現したように生生しくて
書くのが辛いのもわかるけど鴨志田穣が文章でやっていくのに
一番切実で説得力のあるテーマだよ、これ。こういう軸があれば
いつもの「すごい事になってるにもかかわらず、今ひとつ
すごい感じがしないエッセイ」も絶対「すごいエッセイ」になるのに。

そんな鴨ちゃんの側にいて、一番苦労したであろう
西原さんの漫画も彼女らしいあっさりした画風ではあるが
例によって異様なまでに鋭く「おともだち」話もリリカルながらに
深い感慨をもたらす。

橋田さんを偲んで

 報道カメラマンとしてイラク戦争で殉職された橋田信介さんが
生前に「恥だから」と封印していたポルポト兵士による拉致。

 まさか同行者が鴨で、西原と結婚したばかりにギャグ話に
されるとは(笑)

 橋田さん、天国で笑っていますか?
壮絶な話

 2000年に出た単行本の文庫化。西原氏の漫画を楽しみたいなら、単行本を選ぶべきだろう。
 西原・鴨志田夫妻による『アジアパー伝』の第一作。鴨志田氏がアジアで体験したとんでもない話が色々と書かれている。ただ、氏の処女作であるためか、文章がつくりこみすぎている。笑えないオチがついている。
 西原氏の漫画は、一応、挿し絵として書かれたもの。第一作ではまだ、挿し絵としての意識が感じられる。次作以降は、本文とは全く関係ない世界が展開することになって、驚かされる。
 アジアの悲惨な状況を笑い飛ばして良いのか、真面目に捉えるべきなのか、迷う。



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